架空チョコレート

アニメやゲームなど2次元、60センチドールと等身大ドールを中心に2,5次元、あと日常のことや気になったことなんでも。そんなブログ。

OVA『LILY-C.A.T.(リリィ・キャット)』 感想

 現在マイブームの古いOVA発掘、その2『LILY-C.A.T.(リリィ・キャット)』。
 1987年に発売されたSFホラーです。
 
 時は宇宙大航海時代とも言える遠い未来。惑星探査のためにコールドスリープで眠りながら20年かけて宇宙船で旅立った巨大企業シンカムの社員と雇われ船乗りたち。
 無事到着し目覚める一同だが、同時にシンカムからの緊急メッセージを目にする。その内容は、本社社員を偽った者が2名、紛れ込んでいるというものだった。しかもビデオメッセージは途中から消去されており、肝心の2名が誰なのか分からない。キャプテンのマイクは現時点では調べようもないと任務を優先させようとするが、その時未知のバクテリアにより搭乗員の1人が死亡し……というのが導入部。

cap2014-05-01-19h32m57s250.jpg
cap2014-05-01-19h33m26s51.jpg



 ぶっちゃけて言ってしまえば内容はほぼ名作映画『エイリアン』です。この時代にはエイリアンフォロワーな内容の作品がメディア問わず大量生産されたらしいので、本作もその1つということでしょう。

『エイリアン』では人間の命よりもエイリアンという貴重なサンプルの採集を優先し恐ろしい敵へと回ったアッシュというアンドロイドが印象的でしたが、本作ではその役割を猫が請け負います。その名前が表題の『LILY-C.A.T.』です。
 ちなみにこのリリー、旅に同行した社長の娘・ナンシーの飼猫そっくりに作られてます。ええ、なんと社長令嬢も同行してるんですよ。会社は社長の娘すら使い捨てるつもりだったんでしょか。社長の意志なのか部下の暴走なのかが気になる。

cap2014-05-01-19h34m33s203.jpg


 本作ではエイリアンが攻めこんでくるわけではなく未知のバクテリアによって死んだ人が怪物に変貌するのですが、そのことが判明するのは終盤になってから。中盤辺りで判明してれば元仲間と殺しあう悲壮な展開にもっていけたと思うので、ちょっとそこは残念ですね。もっとも本作はアクションではなくあくまでホラーなので、戦闘シーンはほぼありません。

cap2014-05-01-19h35m44s156.jpg
cap2014-05-01-19h36m17s203.jpg


 主要キャラはなかなか魅力的。
 まず潜り込んだ2人のうちの1人、ディック。彼の素性は警察官であり、4人を殺した殺人犯であるもう一人の潜入者・ジローを追って船に潜り込んだわけですが、無事逮捕できたとしても地球へ帰還する頃にはウン十年と経ってるわけで正直誰も事件のことなんて覚えてない。それを承知でそれでも『自分は刑事だから』と追ってくるんです。
 地球に残って仕事を続けた方が刑事としての職務を数多くこなせるだろに、そんな理屈は売っちゃって直向に狙った相手を求め続ける。この不器用で頑固な生き様は嫌いじゃありません。

 彼はジローが犯人だと突き止めた後、自分と彼の手首を手錠でつなぎとめますが、怪物に追われる状況になっても外しません。そんな刑事一筋な生き方に敬意を払い、彼が死んだ後もジローが手錠を外さないのはちょっとステキ。

cap2014-05-01-19h37m11s241.jpg
臭作に似てる……

 ちなみにディックは予めシンカム社に話をつけており、会社側も社内に潜り込んだらしいということと医学生であるということ以外何一つ不明な相手を捕まえるために協力しているという設定なのですが、普通ならそんな事情があればプロジェクトは中止するはず。
 つまりハナからアンドロイドのリリーしか信じていない社のお偉いさん方は、不測の事態に乗員たちがどうなろうと知ったこっちゃなくて、そんなことより企業に犯罪者が潜り込んだという事実を世間に知られて醜態を晒す方を恐れたんですな。ひでー話だ。ありそうだけど。



 キャプテン・マイクの人生も中々切ない。
 長く宇宙開拓民として生きてきた彼は実年齢は200歳近く、今まで仕事を終えて地球へ変える度に大きく変貌した世相に驚き戸惑うという人生を送ってきました。当然親しい相手もほとんど他界しており、そんな生き方に疲れた彼は今回の航海で船を降りようと決心しています。

 そういう経緯もあってどこか達観したところがあるのですが、そんな彼にも手放せない『おもちゃ』が有り、それが一台の古いスペースシャトル。初めて仕事をした時に使った時代遅れのオンボロ船ですが、以来彼は船出の度に持ってきているそうです。
 このシャトルは、最終的に生き残り地球へ帰還する術を失ったジローとナンシーが未開惑星に降り立つために使われます。おっさんの『おもちゃ』が若者たちの命を未来へとつなぐわけです。
 ちなみにおっさんはリリーキャットを始末するために1人母船に残り爆破します。

cap2014-05-01-19h39m55s93.jpg


 あまり希望に満ち溢れたラストとは言えず、未開の地でいつバクテリアに侵されるかも分からないため生き延びる確率より速攻で死ぬ可能性の方がはるかに高いわけですが、人生につかれたおっさんの郷愁が微かな希望を与えてくれるラストは中々胸にジーンと来ます。


 ただ、エンディングのスタッフロール後の演出が全部台無しにしてくれた気もする。
 スタッフロールの間はこのように、始終手錠の鎖がぶら下がっているのですが、

cap2014-05-01-19h40m23s126.jpg

 最後にはカシャーンと音を立てて落下し「にぎゃ~」と不気味な猫の声が鳴り響きます。これはつまり、ジローたちが死んだ後もリリーが生きて(いやロボットだけど)いたということでしょうか。
 マイクの捨て身の攻撃や一握りの可能性が残されたジローたちの未来を全否定する余計な演出だとしか思えないんですが、ホラー作品としてはありなのかなあ。もしかしたら深い意図がなくただ不気味に締めたかっただけかもしれませんが、個人的には嫌いです。


 そして何より残念なのが、ジローの声優。
 下手すぎる!
 妙にねちっこくてイントネーションがおかしい素人丸出しのしゃべり方なので、この沖田浩之とは一体どこのどいつだと調べてみたら声優の置鮎龍太郎さんの親戚でびっくりした。なんでも元アイドルだそうです。自分が芸能関係はさっぱりなんですが軽く調べてみると相当人気あった様子? 金八先生にも出てたみたいですね。
 彼が採用されたのはイクサー3のキューティー鈴木のように客寄せパンダなんでしょうか。



 というわけで幾つか不満はあるものの、まずまず面白かった『LILY-C.A.T.』でした。

 エイリアンの後追いOVAとしては以前感想を描いた『ルーツ・サーチ 食心物体X』も当てはまりますが、そちらと違って妙な突っ込みどころのあるカルト的アニメではなく至極まっとうにエンタメしてます。ただ無難にまとまってる分、良くも悪くも尖ったところが無いためインパクトに欠けるのも事実です。
 つまらなくはないので興味があるならどうぞ。古いアニメとしては割りとテンポもよく1時間弱しか無いのでダレません。話のネタにしたいならある意味『ルーツ・サーチ』の方がオススメかも知んないけど。







関連記事

ランキング参加中です。
良ければ押してやってください。
にほんブログ村 アニメブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
にほんブログ村
にほんブログ村 その他ブログへ
にほんブログ村



[ 2014/05/01 19:59 ] 感想文(アニメ) | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

管理人
名前:月人

リンクフリー

↓ミニ雑記

メールフォーム
御用の方はこちらからどうぞ。

名前:
メール:
件名:
本文: